霜内石灰軌道訪問記2005

しばらくすると何やら貨物ホームの上が慌しくなってきた。遠くでラッパのような警笛が何度も聞こえている。微かにガララ・ガララとエンジンをふかす音も聞こえてくる。ゆっくりではあるが音は確かに近づいてきている。しかし一向に姿は見えない。 パッワァン!!ドリドリドリ〜。石灰まみれになった黄色いDLが雑木林の影からのっそりと現れた。
音だけは大きいが、歩くような速さである。 石灰製品を満載した平トロが貨物ホームに横付けされると、次々に貨車に積み替えていく。ベルトコンベアーの唸りとDLのエンジン音、作業員の掛け声、活気に溢れるホーム上とは裏腹に、作業の邪魔にならぬよう遠巻きに眺めるマニアたち。 「さすがにアメリカ製じゃないね。」 「あれは加藤ですネ。」 「しかも5tだね。エンジンはDA220。」 「あのタイプは伊豆沼の干拓と同じですねぇ」 「タイプとしては土木一般用ですヨ」
ひとしきり作業が終わったらしく、DLのアイドリング音しか聞こえなくなった。何時の間に交渉したのだろうDLを上屋の端まで動かしてもらう。ちょうどお昼休みになる運転士さんのご好意でその間を撮影時間に当てさせてもらった。しっかり情報も仕入れたらしい。どうやら肝心の機関車は工場の車庫内にいるらしく、残念ながら普段は動いていないだそうだ。誰が言い出すでも無くこれで我々の今日の予定は決まったようなものだ。
我々も昼飯にしようヨ。 「食事が終わったら、さっそく出発しましょう。」 「でも暑いし、せっかく来たのだから、食事の後はゆっくり散策したいですねぇ」 う〜ん、意見が分かれたなぁ(^^;。あなたはどっちにしますか？

工場へ向かう　　貨物ホームを散策する